「台風の中心」にばかり注目していると、避難のタイミングを逸します。

<当支部の会員である板井秀泰様からの情報提供です。>

「台風の中心」がどこに来るか、非常に重要な情報です。

でも、「台風の中心」にばかり注目していると、避難のタイミングを逸します

例えば、千葉県に大きな被害をもたらした令和元年台風第15号の事例を見てみましょう。

台風第15号は、9月9日午前5時前に「台風の中心」が千葉市付近を通りました。

<千葉市観測点の気象経過>

台風の中心が通る半日以上前、前日8日昼ころから、10メートル前後の風が吹き始めています。

風に向かって歩きにくくなり、傘がさせない状態です。

その頃、台風の中心は、500km以上離れた南の海上にあります。

500kmは、千葉-大阪間を超える距離です。

日付が変わって9日になると急速に雨と風が強まり、屋外の移動は困難・危険な状況となります。

<9日0時の気象レーダー> を見てください。

千葉県に強い雨雲がかかっていますが、台風の中心は、まだ、伊豆大島の南にあります。

上記は、一例にすぎません。

台風の勢力や移動速度は、それぞれ異なります。

低気圧や高気圧、前線の存在など、台風周辺の気圧配置もまた、それぞれ異なります。

例示した台風第15号の時より、もっと早くから雨や風が強まるかもしれません。

ぜひ、台風の中心にだけ注目せず、雨や風がいつから強まるかなど、防災気象情報にも留意してください。

そして、早めの安全確保行動をおねがいします。

(参考)

7月5日コラム 日頃から防災気象情報に触れ、早めの避難判断を(気象庁ホームページ)

7月20日コラム 皆さんは、台風の「予報円」が何を意味しているのか、ただしく認識されていますか?

7月24日コラム 皆さんは、「台風」と「熱帯低気圧」の違いをただしく認識されていますか?