子どもたちに防災・救命「出前授業」、東庄中学校で(9/17)
「防災・救命の実践知識を子どもたちも学べる機会に」という千葉県香取地域振興事務所の依頼で、「出前授業」を行いました 。
この日の出前授業は、1年生2クラス、計80人を対象に、5時限目、6時限目で行われました。
看護師でもある瀬戸美佐子さん(鴨川市)は防災の座学、友部博さん(船橋市)はCPR(心肺蘇生法)とAEDをそれぞれ分担し、各1時限ずつ内容をクロスして生徒たちに向き合いました。
《教室で学ぶ防災・減災「生きる力」》
瀬戸さんの座学は、生徒たちの教室が会場です。
テーマは「作ろう!マイタイムライン」です。マイタイムラインという言葉を聞いたことがあるか尋ねると大半の生徒は「聞いたことがある」と答えました。実際に「作成した」という生徒もいましたが、まず、タイムラインとは何かについて分かりやすく説明。災害が発生したときにどのような行動をとるか、時系列に従って計画します。5年前の台風15号のことを憶えている生徒もいて、「怖かった」「停電が続いた」などの声が聞かれました。そのときのことを思い出しながらどんな行動をとったら良いのかみんなで考えました。近年は災害、特に風水害が多く発生しており東庄地区は被害も出ています。事前に準備をしておくことで防げることもあります。家族の方と話し合って準備をしておく大切さを学んでくれたらと思います。
《体育館で学ぶ救命「助ける力」》
CPR、AEDの実践授業は、体育館が会場です。
行き交う人の少ない穏やかな土地柄だけに、「目の前で人が倒れた」という緊迫した場面はイメージしにくい様子。この想定場面を友部さんが実
演し、胸を抑えながらいきなり床に倒れ込みました。
続いてむっくり起き上がると、今度は発見者役に。「助けて、だれか来て。人が倒れています」と叫びます。生徒たちがびっくりする中、「大声
で人を呼ぶ」練習から実践が始まりました。
▽AEDがどこにあるか知る、▽AEDを持ってみる、▽電源ONで始まる音声案内を聴いてみる、▽訓練用人形にパッドを貼ってみる、▽胸骨
圧迫をやってみる——の流れで進みました。
アメリカ生まれの訓練用人形の無表情に「怖い。さわれない」と尻込みする生徒も。隣の友だちから「大丈夫だよ。やってみなよ」と励まされ、
微笑ましいチャレンジ光景も見られます。
正確な胸骨圧迫は、「強く、速く、絶え間なく、プラス圧迫の解除」を行う持続力(気力、体力)がいります。本職の救急隊員や看護師も大変と
いいます。
でも、大声で助けを呼ぶことなら、勇気を出せば、だれでもできます。
この日の出前授業で習った減災の大切さや、知っていれば「助ける命、助かる命」があることは、生徒たちから大人たちへ、波紋を広げて行きますように。