5/28(土)スキルアップ講座『防災チャットボットの活用事例と今後について』実施報告

日時:2022年5月28日(土) 20:00-21:10
タイトル:『防災チャットボットの活用事例と今後について』
場所:ZOOMミーティング
講師:中神武志さん(千葉市)
内  容:座学
参加人数:10名

2022年5月28日、会員向けスキルアップ講座 『防災チャットボットの活用事例と今後について』が行われました。

【プレゼンテーションの内容】
・千葉県のチャットボット活用事例:災害時の窓口業務負担軽減、災害のフェーズによるニーズとタスクの変化
・AIといっても万能ではない
・防災チャットボットのビジョン
・情報提供者にメリットをもたらす枠組み
・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)-防災チャットボット「SOCDA」のコンセプト
・災害時における情報収集と共有/避難情報の配信
・クロノロジー(経時活動記録)
・意思決定のための情報収集(信頼性・精度の高い情報をAIで早く効率的に分析)
・自動応答による業務負担軽減
・災害タイムラインに沿った情報共有支援
・要支援者支援の取り組み事例
・避難支援機能の実証実験(自治体を超えた避難判断を支援)
・避難所運営支援
・マンション防災支援

まずは防災チャットボットの機能や様々な可能性、活用事例、実証実験の例などについて、使用例のデモ映像も含めて非常に充実した内容のお話がありました。
2019年の台風災害においても、千葉県で防災チャットボットが活用され、災害のフェーズにより変化する様々なニーズに対応し、自治体の問い合わせ対応の負担軽減に大いに役立ちました。従来の災害の情報収集と提供は電話、FAX、ホワイトボードに頼っていましたが、ICTやAIの活用により省力化や効率化が大きく進むことは間違いありません。
防災チャットボットは普段スマホを使っている方にはなじみやすい仕組みにはなっていますが、LINEであればいかに友だち追加して使ってみたいツール・サービスと思って貰えるかがポイントになります。利用した際の自分自身や家族のメリットや、人の役に立てるなどのモティベーションを感じて頂くことが重要になります。
今後の活用の方向性は多様であり、リアルタイムの情報共有を通じて組織や個人の意思決定などを多岐にわたり支援することが期待されます。要支援者の支援や個人の避難行動支援への活用も検討されています。但しAIと言っても現時点では決して万能ではなく、生命に直結するような情報提供については今後の更なる研究開発や実証実験を経た実用化が待たれるところです。今後も様々な課題にマッチするアプリケーション開発により活用の場や機能の拡張が期待されます。

講演の後、支部役員から千葉テレビとの災害情報提供協定の概要と進捗に関する説明がありました。

質疑応答では、実証実験などの費用負担の状況、ボラセン本部における応用事例について、LINEをプラットフォームとして活用することのメリットなどについて説明を頂きました。

普段なかなか接することのない防災とAIというトピックについて理解を深め、防災士として災害情報の提供や支援情報の活用について可能性を考える良い機会となりました。