天気予報の『気温』はどのような場所の気温?

当支部会員の板井秀泰様よりご寄稿いただきました>

天気予報で伝えられる「気温」は、日陰の風通しの良い場所の気温です。
具体的には、温度計に直接太陽が当たらない風通しの良い場所(芝生等)で、地面から120~150センチの高さの空気の温度です。
この点を踏まえ、熱中症対策として天気予報の「気温」を利用する場合の留意点を確認してみます。

(1)日向(ひなた)は日陰より高い
私たちは日陰より日向の方が暑いと感じます。どのくらい違うと思いますか。天気や地面の状態などにより異なりますが、20度以上も違う場合があるのです。
天気予報で25度といっても、日向では45度またはそれ以上になる場合があります。道路やグランド、畑やハウスの中など、皆さんが活動する場所は、天気予報で伝えられる気温よりかなり高い可能性があります。
警視庁Twitter

(2)地面に近いほど高い
太陽によって最初に地面の温度が上がり、その地面の熱が空気に伝わることで気温が上昇します。天気予報で伝える気温は150センチ付近の気温なので、地面の近い方がより高くなります。
ベビーカーに乗っている赤ちゃんは地面に近いため、背の高い大人より暑い空気に包まれることになります。
環境省資料

(3)身体が暑さに慣れていないと危険
天気予報の「気温」を利用するとともに、大事なことは、夏に比べれば涼しい今の季節から、熱中症に備えた身体づくりです。
人間の体は、体温が上がると体の表面から熱を逃がすほか汗による気化熱で体温を下げます。人間のこうした能力は1年中備わっているわけではなく、徐々に暑さに慣れることで2週間ほどかけて高まる(暑熱順化)そうです。
従って、無理のない範囲で(できれば少し早足で)ウォーキングするなどし、うっすら汗をかく機会を増やすことで暑熱順化を高めておくことも意識してください。
NHK資料

(参考)
〇熱中症に注意しましょう:千葉県

〇熱中症予防情報サイト(普及啓発資料):環境省

〇熱中症から身を守るために:気象庁