1/21(日)スキルアップ講座『強風と突風』実施報告
日時:2023年1月21日(土) 20:00-21:00
タイトル:『強風と突風』
場所:ZOOMミーティング
講師:仲井圭二さん(柏市)
内 容:座学
参加人数:10名
2023年1月21日、会員向けスキルアップ講座『強風と突風』が行われました。
本講座は「強風と突風の違いを知る」、「過去に起きた強風、突風による災害の特性を知る」、「風、突風による被害を軽減するための方法を知る」を目的に実施されました。
【講義の内容】
1.強風と突風
2.突風の代表例、竜巻
3.強風、突風による災害
4.日本沿岸の強風、突風の特性
5.強風、突風による被害を軽減するために
まず風速、平均風速、強風等用語の定義と代表的な突風の現象としての竜巻について丁寧なわかりやすい解説があり、実際に発生した強風・突風事例と被害状況(2006年11月北海道佐呂間町、1999年9月愛知県豊橋市、1986年12月余部鉄橋、2019年台風15号房総の4例)が示されました。
いずれも特徴的な事例で突風の発生要因とその被害について豊富な写真資料と解説で理解を深めることができました。
2019年台風15号の鉄塔、電柱の損壊事故の原因分析と対策については事後の詳細な調査結果も示され、当時の被害の実態と今後への備えの一端を知ることができ大変興味深くかつ有意義な内容でした。
最後に昨年話者が行った学会発表から、日本沿岸の強風、突風の特性として、年最大瞬間風速及び年最大風速は太平洋側北部で増加傾向にあり、突風率は、太平洋側北部以外で、ほぼ全国的に増加傾向であることが示された上、突風への備えとして竜巻注意情報の活用法について説明がありました。
質疑応答では藤田スケール(日本版改良藤田スケールを含む)と突風の強さの評定、送配電系統の復旧、送電鉄塔の構造と被害の特徴などについてディスカッションが行われました。
今回は、普段はともすると見落としがちな強風・突風について正しい理解を持ち、その被害や予防策、避難行動について考える貴重な機会となりました。
千葉県では2019年台風15号により、広範囲にわたって家屋、構造物、送配電系統の被害が見られ、停電や断水が長く続いた地域もありました。各地のハザードや災害への備えを考えるうえで、是非強風・突風についても加味して行きたいものです。