スキルアップ講座『NHKの防災・減災報道の取り組み』実施報告

日時:2022年11月17日(木)) 20:00-21:10
タイトル:『NHKの防災・減災報道の取り組み』
場所:ZOOMミーティング

話題提供者(講師) NHK千葉放送局職員

・ 和泉英己副局長(報道記者出身)

・ 経営管理企画センター 都田剛史職員(防災士)

・ 経営管理企画センター 中迫清彦副部長(防災士)

オブザーバー参加:細田美和子局長 國廣明美コンテンツセンター長 橋本順一氏

参加人数:19名(NHK千葉放送局職員+日本防災士会千葉県支部会員)

冒頭に、参加者全員が、自己紹介をして一言発言をした。NHK千葉放送局細田美和子局長からは、「防災士の皆さんと、防災に取り組む仲間だと思っている。一緒に千葉県の防災に取り組んでいきましょう。」などの話があった。

【プレゼンテーションの内容】

和泉英己副局長の自己紹介:記者⇒チーフプロデューサー(ニュース7,ニュース9など担当)⇒大阪報道部副部長など⇒おはよう日本編集責任者(ニュースデスク)⇒千葉放送局副局長へ

映像メディアとしてのNHK:「速報性・同時性」「正確性と影響力」「映像と音で訴える力」

NHK報道の中枢:放送センター(首都圏局 千葉放送局など全国54放送局 世界31取材拠点) ニュースセンター(取材センター、ニュース制作センター、映像センター、災害・気象センター、スポーツセンターなど)

通常のニュースの流れ:日常取材(リサーチ)⇒予定提案⇒取材(ロケ)⇒送出など

NHK緊急報道(地震・津波の最初動):取材(ロケ)⇒制作⇒送出、現場・各局リポート⇒送出、スタジオ解説⇒送出、気象庁やNHK震度計などにより緊急ニュースに

NHK災害報道の意味・目的
①最初動    一人でも多くの人の命を守ること=減災報道
②初動~初期  被災した人に救助・救援の手を届ける
③初期~中長期 被災した人を勇気づけること、支援すること

「東日本大震災の教訓(最初動 減災報道)」:想定外の大きな地震にも対応できるよう改善。大津波警報の場合は、子どももわかるように、ひらがなで大きく表示する。命令・断定的で強く避難を呼びかける。わが身のことと思えるような呼びかけをする。

「災害時、次々に来る映像・情報をさばいていく」:各テレビ・ラジオ波が全国・ローカルでどんな放送をしていても、東京NCに強制的に引っ張る。「地震・津波・特別警報・その他緊急ニュース」を、ヘリ中継伝達 CS中継車 LU中継 電話・リポート 千葉局緊急放送システム 気象庁中継 官邸中継 突っ込み原稿 原稿支援装置 ロボカメ 地震津波ノルマルなどを活用して行う。

「ロボットカメラ」:全国で約700か所、千葉県で20か所、東京と大阪から遠隔操作が可能、千葉は海に向いているカメラが多い。※協定により国や自治体が設置している河川カメラも利用している。

「原稿支援装置」:全国のNHKに配備 気象庁⇒地震・津波情報、特別警報など気象警報⇒読み原稿として表示
・何があっても放送を続けられるように大阪発もある。日々訓練を、アナウンサーや記者だけではなく、全員で実施している。

・続いて、NHK職員都田防災士より『NHKニュース・防災アプリ』について解説。

・活用方法として、最新ニュース、ハザードマップ画面、雨雲データマップ、同時配信画像を紹介。災害発生時等にはテレビと同じ内容がアプリでも同時配信され、避難所や移動中でもその情報を知ることができる。
『水害から命と暮らしを守るキャンペーン』で、「実感!ハザードマップ」で、画像で分かりやすく伝えている。「みんなのうた」で、防災ソング「こわがりヒーロー」を制作し子どもたちが率先避難者になるように働きかけている。(大人は正常性バイアスにとらわれがち)
・放送やホームページのコンテンツ『明日をまもるナビ』『災害時 障害者のためのサイト』などを紹介。

 

・最後に、NHK副部長中迫防災士よりNHK千葉ガーデンなどの紹介があり、締めくくられた。

・質疑応答では、災害時の正確でニーズに応じた報道、テレビとアプリのデーターボタンについて、防災士が協定によって取り組むスクープボックスについて、ラジオ番組の周知など、多様な情報収集の周知についての質問に丁寧に答えていただいた。

・これからも、「NHKから、第2弾、第3弾と続けて、スキルアップ研修で話題提供していただく」との力強い言葉が聞けた。