「1時間雨量」は、様々な顔をもっています
<当支部の会員である板井秀泰様からの情報提供です。>
令和3年8月23日(月)午前、千葉県は激しい雨と雷に襲われました。
NHK NEWSWEB【動画】千葉 中央区で激しい雨 排水溝から水が噴き出す
この映像は、千葉市中央区、午前9時30分頃とのことです。
当時の雨量を調べると、千葉市に設置している雨量計の値は、10時までの1時間に32.5ミリでした。
1時間30ミリ~50ミリ未満の雨は、天気予報などでは「激しい雨」と称しています。バケツをひっくり返したように降る雨です。
<雨の強さと降り方>
でも、ちょっと待ってください。
雨量計の値を10分ごとに細かく見てみると、ほとんどの雨が、09時40分までのわずか10分間に集中していることがわかります。
・09:00~09:10 雨なし
・09:10~09:20 雨なし
・09:20~09:30 2.5ミリ
・09:30~09:40 24.0ミリ
・09:40~09:50 6.0ミリ
・09:50~10:00 0.0ミリ
10分間に24ミリと聞いても、ピンとこないかもしれません。
1時間雨量に換算(この雨が1時間、継続して降ったと仮定)すると、144ミリ(24ミリ×6)に相当することになります。
一般的に、1時間に80ミリを超える雨を、天気予報などでは「猛烈な雨」と称します。恐怖を感じるような雨です。
8月23日の9時30分頃は、いきなり恐怖を感じるような猛烈な雨が降り出し、とても屋外で行動できる状況ではなかったことが想像されます。
しかも、ものすごい雷鳴、雷光を伴っています。
ぜひ、今一度、2021年5月21日のコラムを確認してください。
<コラム 5月20日から、避難情報が大きく変わりました>
このコラムのステップ3には、千葉県に大きな被害をもたらした令和元年10月25日の大雨事例を使って、警戒レベルの高まり、外の様子(雨の降り方や瞬間風速)の変化を整理しています。
安全に避難行動するためには、どのような雨なのか、外の様子をイメージすることが重要です。
そして、早めの行動判断が求められます。
〇「1時間雨量」は、様々な顔をもっています
テレビなどでは、1時間雨量 〇時 〇〇ミリと伝えています。
これは、〇時までの1時間に降った雨の量を指しています。
しかし、雨の降り方は、上記の通り様々です。
このため、雨量から外の様子をイメージする場合、注意が必要です。
例として、<10分間雨量と1時間雨量>を図にしてみました。
14時までの1時間に15ミリ
15時までの1時間に21ミリ
しかし、一番多かったのは、14時30分までの1時間に34ミリとなります。
集計時間のとり方により、値が異なる場合があることも認識してください。