災害対策基本法が改正され“避難情報”の名称が変更されます

<当支部の会員である矢野良明様からの情報提供です。>

すでに報道で入手されていることと存じますが、災害対策基本法の改正案が、国会に提出され4月28日に可決・成立いたしました。
これに伴い、“避難情報”の名称は次のとおり変更され、これまでの「避難勧告」「避難指示(緊急)」は、「避難指示」に一本化されるなどします。

・災害発生情報 ⇒ 緊急安全確保
・避難勧告、避難指示(緊急) ⇒ 避難指示 (発令はこれまでの避難勧告のタイミング)
・避難準備・高齢者等避難開始 ⇒ 高齢者等避難

改正法の施行日は政令で定める日、今のところ5月20日と見込まれていますが、事実上の運用開始は避難指示などの避難情報を発令する区市町村で異なることになります。

これまで使っていた“警戒レベル”と“避難情報など”の関係を示した表(プレゼン)を書き替えました。

僭越ですが、皆様にもご利用いただければと思い添付いたしました。(→こちらからダウンロードできます

この表は、避難と各種情報との関係を示した重要なものなので、自主防災組織や防災士などの防災リーダーの方々には下のような解説をしていますが、一般の方々にはご理解をいただくのは多少難しいところもあり、時間がかかることもあります。

この場合は、表の左側、警戒レベル3・4・5の“住民が取るべき行動”と“避難情報等”のところの解説で止まってしまうことが多いのが現状です。

防災リーダーなどに解説するときの主な内容は次のとおりです。
特別警報を待ってから避難するのでは命に関わる大変な事態になってしまいます。

危険な目に遭わないよう前もって避ける判断・行動が必要です。

決して危険になってから避難することのないようお願いいたします。

逃げ切れない場合もあります。

警戒レベル4までに全員避難です。

避難指示などは避難に要する時間を考慮して発令されますが、各種施設では、“高齢者等避難”や“避難指示”が発令されてから避難を開始しても、全員が避難を完了するまでには長時間を要し、場合によっては間に合わないことも考えられます。

避難が完了するまでの時間を予め見積もっておくことも重要です。

場合によっては避難情報を待たず、防災気象情報や周囲の状況などにより危険度を把握し、早めの判断・行動が必要になることもあります。(令和2年7月豪雨での特別老後老人ホーム「千寿園」の惨事)

・気象庁・気象台が発表する大雨警報・土砂災害警戒情報・大雨特別警報(警戒レベル相当)は、区市町村単位に発表されます。

浸水の情報(河川)では、警戒レベル相当が区市町村全体に発表される場合も、一部地区に発表される場合もあります。

避難指示などの避難情報は、区市町村全体に発令されることもありますが、○○地区、□丁目から□丁目、土砂災害危険区域、浸水想定区域などを対象として発令されることもあり、地区によって警戒レベルが異なることがあります。

・区市町村が発令する“警戒レベルa”と、気象庁・気象台なとが発表する“警戒レベルA相当”では、それぞれのレベルが異なる場合があります。

例えば、“警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報”が気象台から発表されても、区市町村の発表は、“警戒レベル3の高齢者等避難”であることもあり、時にはすでに災害が発生していることから“警戒レベル5の緊急安全確保”であることも考えられます。

最も注目すべき情報は、レベル3の高齢者等避難とレベル4の避難指示の避難情報です。

テレビ報道では特別警報や発生した被害についてよく報じられますが、皆様がお住まいのこれらの避難情報はテロップで流すぐらいしか取り扱われないこともあります。

防災行政無線の放送に注意し、ご自身がスマホやインターネットなどで積極的に情報を入手していく必要があります。

警戒レベル1及び2については区市町村からの特別な発令・発信はなく、防災メールなどでの配信のところもあります。

インターネットなどで、今お住まいのところが、どの警戒レベルの避難情報であるか、どの警戒レベル相当の防災気象情報が発表されているかの把握をお願いします。また、隣接する区市町村についても同様な把握をお願いいたします。

以上ですが、お気づきの点があれば、ご指摘をいただけばと思います。

ご参考まで