台風10号関する気象資料について
防災活動お疲れ様です。
皆さま方には大変お世話になっている千葉県八千代市の矢野です。
大型で非常に強い台風第10号が九州の西方を北上して行きました。
気象庁・国土交通省は、台風接近に間から異例の記者会見をして最大級の警戒を呼びかけ、早めの避難や対策を呼びかけてきました。
台風は特別警報級の勢力まで発達し、接近または上陸するおそれもあるとされていましたが、各所でそれなりの大きな被害や停電が起きていますが、幸いにも、広範囲にわたって壊滅的な被害には至らなかったように感じています。
台風被害を防ぐための報道なども多く、功を奏したのではないかと感じています。
さて、台風10号に関するデータなどを取りまとめましたので、皆様にもご覧いただければと思います。
枚数が増え、また動画もありますのでファイルが相当大きくなってしまいました。
台風10号+レーダー画像+九州南部+052100~070400.gif
解説なしでもご理解いただけるように作成したつもりですが、
至らないところもあります。よろしくお願いいたします。
・pdfファイルの3ページは、今回一番風が強かった長崎市野母崎の風をグラフ化したものです。
台風の中心が近くを通ったのですが、台風の目には入った様子はありませんでした。
・レーダー動画は、宮崎県のなどの南東斜面に暖かく湿った気流が当たり、降雨を降らせていることが分かります。
後半に台風の中心が現れてきます。
・今回は、海面水温の動画も作成しました。
台風のエネルギー源は、海面からの水蒸気が上昇して、凝結・雲ができたときに放出される熱(凝結熱)です。
海面水温が高いほど蒸発量も多くなりますので、台風が発達維持しやすくなります。その温度はおよそ27℃以上と言われていますが、海面水温の動画をご覧いただくと分かるとおり、日本の南海上は30℃以上と高く、今年8月は1982年以降で最も高くなっています。
また、報道では、先に東シナ海を北上していった台風9号が、海面近くの温かい水と深いところにある冷たい水が強風で混ぜられたり、台風の雲で日射が遮られたりすることで水温が下がり、10号の勢力が弱まったのでは、と報じられています。
確かに動画を見ると東シナ海の水温は下がって来ています。ずっと北からの低下のようです。
海面水温図は1℃単位で温度分布を読み取ることができますが、台風10号が通過していった跡を示すような温度の低下は見当たりません。
台風通過による海面水温の低下については、今後の調査研究成果を待ちたいと思います。