「地球温暖化」の影響は千葉県にも表れている
<このコラムは当支部会員の板井秀泰様(印西市)よりご寄稿頂きました。>
ある老人が、ひとりごとのように私に言いました。
「冬の寒さは骨身に染みるんだよ。『地球温暖化』の方が楽になるのでは・・・」
「温暖」という言葉が、そのようなイメージを抱かせるのかもしれません。
「地球温暖化」の影響は、すでに千葉県にも表れています。
どのような事態を招くのか、基本的なところを整理してみました。
1、まずは知っておきたい「なぜ雨が降るか?」
冷たい飲み物を入れたコップの周りに水滴が付いているのを見たことはありませんか?
冬、暖かい部屋の窓ガラスに水滴が付いているのを見たことはありませんか?
空気は目に見えませんが、この空気には水蒸気が含まれています。
空気に含むことができる水蒸気の量は、温度が高い程多く、低いと少なくなります。
このため、暖かい空気が冷やされると、含んでいられなくなった水蒸気が目に見える液体(水滴)となって現れてくるのです。
(NHK for School 結露のしくみ)
この水滴が「雨」のイメージです。
(参考図1)
このことを踏まえて次の動画(気象庁YouTube知識・解説 積乱雲のでき方)を視聴してください。
「なぜ雨が降るか?」、なんとなくイメージできたでしょうか。
(^^)/ 天気予報でよくきく言葉も、基本は同じです。
「上空に冷たい空気が入り」
「暖かく湿った空気が入り」
「地面付近と上空の温度差が大きくなり」
2、「地球温暖化」はバケツをイメージして
地球温暖化が進んで温度が上がると、空気に含むことができる水蒸気の量がこれまでより多くなります。
小さいバケツを大きなバケツに取り替えたらどうなるか、イメージしてみてください。
〇これまでより、溜めるのに時間がかかりますよね
→雨の降る日は、減る傾向
〇これまでより多くの水が溜まっているので、ひっくり返すと大量の水がこぼれます
→大雨の回数は、増える傾向
(参考図2)
3、すでに「地球温暖化」の影響が千葉県にも表れている
銚子地方気象台は、「日本の気候変動2020」(文部科学省・気象庁)に基づく千葉県の観測・予測情報をホームページで公表しています。
(千葉県の気候変動)
すでに、雨の降る日は減る傾向、大雨の回数は増える傾向が観測事実として表れており、さらに進むことが懸念されています。
4、三方を海に囲まれた千葉県 -台風の影響-
「日本の気候変動2020」では、地球温暖化が進み海面水温が上昇すると、台風のエネルギー源である大気中の水蒸気の量が増加し、日本付近の台風の強度は強まると予測しています。
千葉県周辺の海面水温が高いと、台風は勢力を弱めず千葉県に近づいてきます。恐怖を感じる暴風や大雨だけでなく、これまで以上に高波・高潮のおそれが高まります。
◆「地球温暖化」が進行すると、健康被害、土砂災害や水害、農業・漁業への影響などが一層深刻となります。
決してポカポカしたのんびりした話ではないのです。
(^^)/ コップやバケツを見るたび、「雨の原理」や「地球温暖化の影響」を思い出して!
〇参考
都道府県版気候変動リーフレットを作成しました
日本の気候変動2020 -大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-
・気象庁ホームページ
・気象庁YouTube知識・解説
千葉県の気候変動影響と適応の取組方針